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残酷な未来視

作者: 西禄屋斗
掲載日:2026/09/25

「でも、意外だよなぁ」


「何が?」


「決まってんだろ。お前が三宅に交際を申し込んだことさ」


「あっ、オレもオレも。どうして、よりにもよって三宅なんかを選んだんだか」


「だよな。クラスの女子なら、他にも可愛い子いるのに。誰がどう見たって、三宅は地味過ぎんだろ」


「確かに、今の三宅が地味なのは認める。けどな、五年後を見て驚くなよ。彼女、凄い美人になるから」


「そうかぁ? オレにはとてもそうなるようには思えねえけど」


「右に同じ。美人なら、やっぱ白石とか中嶋だろ。ちなみにオレが選ぶんなら中嶋かな。あいつ、胸デカいし」


「中嶋ねえ……白石はまだしも、中嶋はやめとけ」


「何でだよ? オレの好みにケチつけんのか?」


「お前の好みはどうあれ、彼女の場合、将来は今の面影がすっかりなくなるくらい肥満体型になるから」


「は? 肥満体型? 何でそんなことが分かるんだよ? そんなの、お前の勝手な妄想じゃねえのか?」


「実は……今までお前たちにも黙っていたんだけど、オレには超能力があるんだ」


「ちょ、超能力!?」


「マジかよ!?」


「本当さ。専門用語だと『未来視』って言って、一種の予知みたいなもんかな」


「つ、つまり、未来のことが分かるってこと……?」


「まあな。ただし、漫画とかによく出て来る未来予知みたいな、世界がどうなるかとか、そういう具体的なことはさっぱり分からないけど」


「えーっ!? じゃあ何が視えるわけ?」


「オレの目の前にいる奴が、数年後、数十年後にどんな姿になっているか。そういったことなら視れるんだ」


「すっげえっ! ああー、だから三宅を……」


「そう、大人になった彼女を視たら、凄い美人になっていたからな。誰も見向きもしない今のうちに、オレの彼女にしておこうってわけだ」


「クソォ~、羨ましい能力だな。――じゃあさぁ、オレのことも見てくれよ。オレって将来、金持ちになってねえかなぁ?」


「あっ、オレも見て欲しい! やっぱ、将来のこと気になるよな!」


「えっ、いやぁ……悪いが、そういうのはちょっと……」


「何だよ。友達甲斐のない野郎だな」


「未来の自分を知るのは、いいことばかりじゃないと思うんだけど……まあ、どうしてもと言うなら、一応、視てみるよ。断っとくが、オレに視えるのは未来の外見だけだからな」


「サンキュ」


「んー、吉原はそうだなぁ……特に高級そうなスーツを着ているようには見えないなぁ。普通のサラリーマンっぽいけど。――やっぱ、服装だけで金持ちかどうか判断するのは難しいって」


「ちぇっ! ――だったら、次はハゲるかどうか視てくれよ。ウチの家系、やたら髪の薄い人間ばかりだからさぁ」


「それならお安い御用だ。……んー、残念だが、ハゲるな」


「げっ! やっぱりかよ~!」


「視るまでもなかったろ? 今だって、かなり生え際がヤバいだろーが」


「なあなあ、オレは? オレもハゲる?」


「えーと……あっ、お前は大丈夫だ」


「やったぁ! 生涯、髪の毛については安心していいんだな?」


「ああ。お前からは三十代以降の姿が視えないから、その心配はない」

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